第3日目 10月12日(土) @


ホテル徒歩発  09:30

 
古い建物を大切にし、内部だけリニューアルして活用しているので街並み景観が素晴らしい

 
支線道路の景色は、函館・小樽を彷彿とさせました     夜中も工事しっぱなしでしたね


カーネギー美術館、博物館における学校教育・生涯学習との連携  10:00


 鉄鋼王・アンドリュース・カーネギーが、事業で為した財産を社会に還元するために建てた施設。美術館は印象派コレクション、装飾芸術、建築(ギリシャの神殿など実物を移築して館内に保存)、現代美術などが展示されている。自然史博物館は、展示物の90%が本物で、恐竜、岩石、動物の剥製、エジプト文明ミイラのコレクションなど、貴重な展示が豊富にある。
 美術館、博物館ともに学校、教員、コミュニティと連携した多彩な教育プログラムがある。特に障害や病気のために来られない児童・生徒に対して、資格と経験のある学芸員が出張して指導する。
 さらに教員が参加することによって研修の単位が取れるコースを博物館、美術館で提供している。

 
 
開館と同時にセンターホールではグループに分かれて歴史的芸術に関する講義が始まる

5歳児からの教室〜親が登録して連れてくる  1回2時間で全5回コース
 
 

学校区に芸術教育予算が無く絵のクラスが無い学校もある〜親も積極的に参加
子どもたちのための芸術教育〜全米で一番古いアートプログラム
カーネギーの思想・・・貧富を問わず誰にでも本物のアートを見せる理念で
リチャードJアームストロング監督管理のもとハインツ基金がある
市からの補助は無い〜税金は一切使っていない
入館料は大人8ドル、子ども・高齢者は5ドル 教室は無料

作品は年代別に展示してあり、有名な作品がランダムに展示されており、
子どもたちは立ったり座ったり自由に好きな場所で描いている

 
 
 
 
 
芸術教育は主観的想像教育なので、その子のやりたい事、個性を大切にしながら見守る
画一的な教育ではない・・・絵のクラスでは描けるようになるまで徹底して見ることを繰り返す

10歳から15歳の教室
 
恥ずかしさに耐えられる能力を持っていることが創造性を持っているということである
常に変化をしている現実を完全に写しとることは出来ない     ジャネットフィッシュ
 
教室へ向かう子どもたち
 
とても明るい美術学生のボランティア指導員
 
土曜日の朝〜芸術活動に真剣に取組む少年少女たち
 
短時間ですが私も芸術に挑戦してみました  金属へらで削ります 動物の臼歯のつもり・・・

 
教室を移動中の生徒たち〜         さあ次の視察項目へレッツゴー




◆調査・質問事項◆
カーネギー美術館における学校教育・生涯教育との連携

1.社会教育事業の基本的精神について
 児童生徒を対象とする講座はすべて、ペンシルベニア州教育委員会が規定する芸術・人文科学の指導目標を支援する内容となっている。特に、指導目標の中でも以下の項目を支援し、包括するように考えられている。
 ・問題解決能力を応用する
 ・基本的なシンボル体系や抽象的な概念を理解することを広く体験する
 ・実際の創作活動や演技に専門的な技術を応用する
 ・創造過程を理解し応用する
 ・創造的な思考力を育て、実践する
 ・言語的・非言語的コミュニケーション能力を育成する
 児童生徒を対象とした講座はすべてディスカッションを中心としており、思考力を伸ばし、芸術作品を情報源の教科書として使用することが奨励されている。これは、ペンシルベニア州教育委員会の「読む、書く、話す、聞く」の指導目標と呼応しており、言語教育の大きな目標を支援するものである。同様に、児童生徒の講座は、芸術作品が創作された時代を反映しており、当時の出来事と関連があるので、州教育委員会の歴史教育の目標にも合致している。

2.社会教育事業の継続方法について
 講座受講料に美術館友の会メンバー割引があったり、他の財団から個人、学校、団体対象に奨学金の支給もある。

3.ピッツバーグ市からの協力、連携、補助の内容について
 特になし

4.学校教育との連携について
 学校年度の初めに学校向けに、児童生徒・教員対象の講座の一覧を学校に配布する。
 講座は、各学年に合わせて、美術館見学ツアーやワークショップを通じて、1で述べた目標が達成されるような内容となっている。また、教員のための研修講座も昼夜にわたり用意されている。講座によっては、教員の昇給に必要な研修の単位として認められているものもある。

5.生涯学習の窓口、行政の窓口との連携について
 アメリカでは、地方自治体と教育委員会はまったく別の存在で、市域と教育委員会の統括する地域とは合致しない場合がある。ピッツバーグ教育委員会も、ピッツバーグ市と隣接する1町を含んでいる。各教育委員会は、州、郡、市などの補助金の他に、財源として、個人・企業からの学校税による税収があり、いかに税金を集めるかが教育長の手腕にかかっている。
 アメリカの場合、生涯学習は教育機関(大学や短大の夜間コース)、文化施設、NPOなどが中心。