通告に従い、まず初めに、環境行政に関する質問をいたしますが、さる10月23日に発生した新潟中越地震では、避難者10万人、住宅損壊約9万棟、被害額約3兆円を超える大規模災害となりました。
地域社会へ与えた深刻な打撃は「阪神淡路大震災」にも匹敵するものであり、明日は我が身として真剣に考え取組まなければならない重要課題であります。
被災されました皆様に対しましてお見舞い申し上げます。
さいたま市でも被災地への応援体制として、消防局による緊急消防援助隊の派遣。水道局の応急給水活動。建設局では応急危険度判定士や下水道部職員の派遣。保健福祉局では保健師や医師の派遣など行ってまいりました。
そして、環境部では12月3日から7日間、被災地の一つである小千谷市で抱えている約700トンの不燃物の回収に、一日7台のパッカー車と17人の職員を派遣し、毎日、日帰りをして70トン余りを無償で受け入れ処分を行ったそうであります。
環境部の職員に限らず、今回も本当に多くの職員の皆さんが、他市他県の市民のために活動していただいたことに心から感謝と敬意を表します。やはり現場に行き、活動してこなければ知りえないこと、感じられないことなど多くの収穫をされてきたことと思います。
今後、さいたま市行政に対する施策に、大いに役に立てていただけることを願っています。
さて、環境行政についての質問に入らせていただきます。
決められた曜日、時間に、自宅近くの指定されたゴミ収集所に、市民の各家庭から毎日のように排出する様々なごみ。
我がさいたま市でも12月1日より、資源物の持ち去りを禁止するための条例が施行となりました。
この資源ごみの回収については、市から正式に委託を受けた指定業者が、各ゴミ収集所を車で回りながら回収しております。
その後、紙問屋へ運び込み、計量後、その売却益の一部は市のリサイクル基金へと積み立てられており、市民の環境整備のために使われております。
近年、資源の売却益に目をつけた、「ゴミの持ち去り」や「横取り業者の多発」というものが、全国の各自治体で問題になってきております。
また、今回、当市で実施したように「持ち去り禁止条例」を既に施行実施している自治体も多く、最近まで、近隣自治体の条例により締め出された横取り業者が、当市に流れて来て、「大手を振っての持ち去り行為」が横行しています。
先月までは、そのような持ち去りという悪質な行為を見つけて注意したとしても、今回の条例のように有効な対策がなかったため、逆に脅されたり、開き直られたりと、委託業者の方々もずいぶんと大変な思いをされながら市のために努力してこられたという話も仄聞します。
正式に市から委託を受けて頑張っている回収業者の方たちにとっては、今回の条例制定は待ちに待ったものなのではないかと思います。
また、正式に運搬契約をし、買取単価を低く設定された委託業者の持ち込む資源ごみに比較して、収集所に出されている資源ごみの中から「値の張る」資源物だけを選別して持ち去る、横取り業者の引き取り単価の方が高いのが常だそうです。
そして、各収集所は、横取り業者が選別するために、ゴミは散乱したままで、その掃除は各自治会の責任において行われているため、収集所は清潔に保たれているという、おかしな現状があります。
今回の条例施行により、市の収入確保の阻害、市民のリサイクル意識の低下など持ち去り行為による悪影響も少しは緩和されてくるものと思います。
私は条例施行の翌日、12月2日の資源回収の朝、委託業者が回収する20分程度前に、各ごみ収集所を回り、収集所に出された資源をあさる不審なトラックを見つけました。車体の色は白。3トン位のパワーゲートが付いているトラックで、荷台には「グリーンリサイクルだかクリーンリサイクル」と記されており、市の委託業者かと思うような、紛らわしい表示がなされていました。
しばらく後をつけましたが、委託業者の回収コースを知っているのかのごとく、鉢合わせしないように、すり抜けながら「横取り行為」を堂々と行っていました。
また、その間、他の収集所には自転車の荷台に電化製品等の資源や古本屋に卸せそうな写真集・本などを大量に積み込んだ、持ち去り行為を行っている者も多く見つけましたので、持ち去り禁止条例のことを告げ注意すると、逆に脅されてしまいました。
少し、話を聞くことが出来ましたが、市内のとある公園に持っていくと買い取ってくれる組織があるようであります。彼らの様子は、まさしく必死に生活の糧を求めているようでもありました。
当日、たまたま近くにいた委託業者の方に、持ち去りを見つけたが、どうしたら良いのか相談したところ、こういうものがありますと「資源の持ち去りに対する警告書」を頂きましたので本日ここに持ってきました。
記載内容は、「市民が出した資源は、市に所有権があり、無断持ち去りは窃盗罪にあたること。発見次第、警察へ通報する」という内容が記載されています。
そして左半分には、資源の持ち去り記録として、発見日時、場所、車の特徴、人数状況など詳細に記入して担当課へ提出するようになっています。
発見した者の記載には、担当課と組合名を記入するようになっていますので、自治会などの一般市民が警告書を、窃盗犯である持ち去り横取り業者に渡すことは無いものと思いますが、自治会の「クリーンさいたま推進員」の方々にも協力を依頼するのでしょうか。
私の知人のリサイクル活動家に話をしてみたところ、窃盗犯に相対して「お前のやっていることは泥棒だ。資源物を置いて立ち去れ」などとは言えないし、とても恐怖を感じるだろうと言っていました。
泥棒相手に注意するのはとても勇気のいることだが、この警告書の発行に関するお考えと、取り組みをお聞かせください。
また、多くの市民の中には、「持ち去りなどの泥棒はゆるせん」という正義感の強い方々も多くいるようで、正式な委託業者が収集所を回っていると、横取り業者と間違えられることも、ままあるようにお聞きしています。
条例が施行されたことに合わせて、正式に委託している指定業者の身分を証明する、ネームプレートなどの身分証明が必要なのではないか、とも考えますがいかがお考えでしょうか。
合わせて、今回の条例では、罰則の規程を設けておりませんが、その理由をお聞かせください。
また、条例施行までの準備内容と、施行後間もないので難しいとは思いますが、施行したことによる効果についてもお尋ねいたします。
市で行っている収集業務の中には、直営現業の一般廃棄物回収業務と、各清掃事業組合に委託している、回収業務とに、大きく分かれています。
皆さんもご存知のことと思いますが、収集所を回収する収集車の車体の色が、「緑色」「青色」「黄色」「茶色」「灰色」など多種多様であり、何色が何を回収するのかさえ覚え切れるものではありません。
市民が理解しやすくリサイクルに協力できて、市の委託業者を正確に市民に伝える意味でも、分かりやすい広報を行って欲しいと思いますが、いかがお考えでしょうか。
市民・行政・企業の三位一体のパートナーシップが欠かせないことであります。
時々刻々と変化していく、リサイクルの現場での対応を今後、市としてどうしていくのかお聞かせください。
★執行部答弁
ご質問の、1.環境行政について順次お答えをいたします。まず(1)の@についてですが、クリーンさいたま推進員を含めた市民の方の強力につきましては、警告書の発行につきましてはお願いいたしておりませんが、発見した際の市への通報の協力をお願いいたしております。また、職員や収集委託業者が横取り業者を見つけた際に、警告書を発行することにつきましては、強く注意を喚起するとともに、横取り行為のデータを蓄積することにより、告訴する際の証拠書類の一つとしようと考えております。
次に、Aですが、現在、委託業者個人個人には身分証明書は発行しておりませんが、古紙類の収集運搬車両の荷台左右には、「さいたま市収集運搬業務受託者」と表示がされており、車両の色がクリーム色で統一されております。したがいまして、持ち去り業者とは、容易に見分けられると考えております。
次に、Bでございますが、罰則規定を設けなかった理由としましては、行政罰には、警告書・命令書を交付するなど、手続きに相当の時間を要します。また、過料とした場合、職員が直接違反者から金銭を取ることになり、どの程度まで徹底できるのか、多くの課題が生じる事から、悪質な者に対しては、刑法第235条の「窃盗罪」を適用し、告訴していく考えでおります。
次に、Cですが、11月29日より朝6時半からの早朝パトロールを開始し、12月7日までに9業者に対し警告書を渡したところでございます。なお、量につきましては、まだ条例施行直後であり、データが整っておりませんので、ご理解を頂きたいと存じます。
次に、Dですが、この10月に「ごみの出し方マニュアル」を市民の意見を取り入れ全面改訂し、全世帯へお届けしたところです。分かりやすく、利用しやすいと好評を得ております。ご提言の、分別品目ごとの委託車両の色分けにつきましては、今後、検討してまいりたいと考えています。
次に、Eでございますが、昨年10月に食品包装プラスチック、その他の紙を新たに分別品目に加えたところですが、回収量も多く、燃えるごみと燃えないごみの量が減少傾向にあります。今後とも、これらの状況も見ながら、更なるごみ減量や、資源の有効活用に取り組んでまいります。
続いて、資源回収団体についてお聞きいたします。
私たちの身の回りのリサイクルに対する取り組みを見てみますと、「市の回収」「資源回収団体による回収」「新聞販売店などの事業者による回収」など、多くのところで行われており、あそこに出すと、「市の基金になる」「こちらに出すと子どもたちのために」「こちらだとお花畑に」「ここに出すとトイレットペーパーになる」など、多種多様の選択肢が発生しています。
市民にとっては、いつどこに出したら良いのか、分かりにくくなっている感じを受けます。
そのような中で、さいたま市には、資源回収を行う団体に対しての補助金制度があります。
市内で、どのような団体が参加しているのか、各区の分布とその数、また補助金に関して使い道の制限があるのかお尋ねいたします。
合わせて各団体の資源回収の日程を把握されていて、市の回収日程と重ならないようにするなどの工夫がなされているのか、お尋ねいたします。
★執行部答弁
環境行政についての(2)の@についてですが、西区37団体、北区17団体、大宮区32、見沼区20、中央区11、桜区32、浦和区47、南区56、緑区60団体で合計312団体となっております。
次に、Aについてでございますが、実施団体の運営に要する経費として使用していただくこととなっております。
次に、Bについてですが、資源回収の各団体には、資源回収の効果が充分発揮できるよう、市の収集日と重ならないよう、お願いをいたしております。
続きまして、リサイクル女性会議についてお聞きいたします。
先日の区民祭りなどでも、一生懸命に活躍している姿を見かけましたが、リサイクル女性会議の方々は年齢層の幅が広く、様々な経験に基づいた活動を地元で展開されているようですが、現在の取り組みと、今後の展開・展望についてお聞かせください。
★執行部答弁
環境行政についての(3)リサイクル女性会議について、@ですが、主な活動としましては、ごみ減量、リサイクルに関するモニターや、不用品を利用してのリサイクル教室の開催、マイバック運動の推進、市・区の行事への参加など、本市のごみ減量、リサイクルについて幅広く活動していただいております。これからも、ごみ減量や資源の大切さをより一層PRしていただき、より地域に密着した活動をとおし、本市のごみ減量、リサイクル推進の一翼を担っていただければと考えております
さて、続いての教育行政についての質問ですが、子どもたちの安心・安全な学校環境について子育て真っ最中の父親議員として質問いたします。
私の子どもが通うのは、115年の歴史あるさいたま市の北東部に位置する、春岡小学校であります。
近年、学校周辺の土地区画整理も進み、金利の低下や土地の価格の下落など、小さな子どもを抱える若い人たちにも、戸建住宅やマンションが買いやすい環境が整っているせいか、毎月のように児童・生徒が増加しています。
春岡小学校は、現在1年生、3年生、4年生、6年生が5クラス。2年生、5年生が6クラスであり、全部で32クラス。
そして全校児童数は、1116名であり、とても窮屈な現状であります。
そのような中で、空き教室などの余裕が全く無く、来年の教室の配置や確保を、どうしようかと頭を悩ませている校長先生の辛そうな姿をよくお見かけします。
子どもたちは困りごとや悩み事を抱えていても相談に行く相談室がありません。
多くの課題を経験して、学習に生かす生活室もありません。
総合学習を積極的に行うために、大いに活用されている多目的室も、来年はなくなるのではないかと心配です。
1000人を超える学校ですから、教頭先生も2名おります。
この児童数の規模になれば、第2音楽室、第2理科室を確保しないと、授業も組み立てにくいという声も職員室から漏れ聞こえてきます。
せめて音楽室などに充てる新たな建物が確保できれば、多目的室も無くならずに済み、様々な授業展開が持続可能になるのではないでしょうか。
一例を申せば、運動会開催時などは、校庭のトラックの周囲のほとんどが児童席で埋まってしまいます。
ゆったりと保護者の観覧席を確保することが難しく、猫の額ほどの観覧席を確保するために、早朝から場所取り合戦が繰り広げられており、毎年、子どもの運動会の開会前に、親の運動会が行われているのかと勘違いしてしまうほどであります。
我が校の校長先生は、何度も教育委員会へ足を運び、学校の状況を担当課へ伝え、また、改善策の提案もされたそうであります。
全ての子どもたちに対して、教育の機会均等が声高に叫ばれております。
施設が新しいから良い。古いから嫌だなとどという次元の問題ではありません。
子どもたちが安心して学びと生活を行うことの出来る施設を確保する責任があると思いますが、教育委員会の見解をお尋ねいたします。
先日、目にした新聞には、さいたま市での過大規模校の解消には、学区の編成で対応していくというような内容の記事を目にいたしましたが、近隣小学校も現在で満杯状態であり、今後も児童・生徒の増加が顕著に見込まれるという地域でありますから、この方針に沿って対応していくことは難しいのではありませんか。
この点について、ご所見をお伺いしたいと思います。
また、この学校のPTA役員は120名ほどいます。
120名全体が集まり、会議を行うことが、総会も含めて年に3回。
常任委員60名が集まり会議を行うことが、年に5回あります。
今年は多目的室を使用させていただき、開催してまいりましたが、先日校長先生から、大人数の集まる会議については、教室の確保が難しい状況になってきているので、来年は校内での大きな会議は遠慮願いたい旨のお話を伺いました。
まあ、子どもたちの環境をより良くしたいという崇高な目的で設立構成されているのですから、学校内の施設が満杯で使えなければ、使えないなりに、学校周辺にある公民館や集会所といった施設を使用すれば活動は継続できますので、そんなに心配することはないかと思います。
しかし、PTAには教職員も会員として含まれており、会議のたびに学校施設から離れなければならない事態も考えられます。
このような状況が生まれることは、何かおかしくないでしょうか。
いかがお考えになられますでしょうか。ご所見をお伺いいたします。
★執行部答弁
@過大規模校を学区編成で対応できるのかについてでございますが、ご指摘の春岡小学校につきましては、隣接する小学校が4校ございますので、児童数の推移等を見極めながら地域的な特徴や周辺環境、学校や保護者の希望なども勘案し、必要に応じ、通学区域の見直しを始め、これらの諸施策を組み合わせ学校規模の適正化に努めてまいります。
次に、A安心して学び、生活できる施設確保についてでございますが、春岡小学校の児童数は微増と推計しておりますが、教室の確保等について検討し、教育環境整備を進めてまいりたいと考えております。
次に、B校内にPTA等の集会議室が確保できない事についてでございますが、児童数の増加に伴い、保護者の皆様方には、大変ご不便をおかけしているところですが、子どもの教育環境が第一ですので、学校と協議しながら、当面図書室や体育館等の活用でお願いしたいと思います。
次に、現在、全国様々な地域において、幼い児童生徒を対象にした凶悪な犯罪が発生しており、我がさいたま市も他人事でなく、いつ発生するか分からない状況にあると認識しております。
さいたま市内外で事件、事故、災害等が発生した場合に、各学校への緊急連絡は、どのように通報連絡をされているのかお尋ねいたします。
また、万一、学校の近隣で「凶悪犯が逃走中」などという場合に、緊急で届いていた教育委員会からのファックスを、学校が気付くのが遅れたために、うっかり児童生徒を帰してしまい、防げたはずの犯罪に大切な子どもたちが巻き込まれて、被害を受けてしまうという事も考えられるのではないでしょうか。
現在の各学校には、インターネットが完備され、常時接続にもなっておりブロードバンド環境が整備されております。
この環境を最大限に生かし、緊急メールが届いたときに光や音で、パソコンなどの機械の側に居なくとも、校長、教頭の携帯メールに転送するなどの「緊急情報が届いたことを知りえるシステムの導入」も必要だと感じますが、教育委員会のご所見をお伺いいたします。
さいたま市では、昨年、緊急の時に周囲に助けを求めるために、全児童に緑色の笛を配布いたしました。
その後、全国的にも同じような笛や防犯ブザー、PHS携帯電話による警報発信システムや、カーナビゲーションにも使用されている全地球測位システム、GPSを利用した位置測定装置などを導入した学校もあると聞いています。
さいたま市での新たな取組みとか、お考えがあればお示しください。
緊急対応に関しても、普段からの備えをしておくことは、もちろんのことであり、十分過ぎるくらいのシステムを構築していただきたいと思います。
市では6日から公用車に「防犯パトロール実施中」のマグネットステッカーの表示を始めましたが、地域の安全確保と犯罪抑止の広報啓発の一助となりえるものと考えます。是非61名いる議員の車にも貼り付けて日々の活動を行ってもらえるよう議会へも協力を求めてはいかがでしょうか。
朝、元気に「行ってきま〜す」と言ったまま、帰らなくなってしまった時の悲しみを思っていただきたい。
教育関係者がテレビ会見で謝罪などと言う姿も見たくないですし、なによりも悲しみに沈む家族の姿は、もうたくさんです。教育委員会の積極的な対応を心から望んでいます。
★執行部答弁
続きまして、C緊急通報システムについてでございますが、現在も十分に迅速な対応が図られていると考えております。
学校もイントラネットが整備され、それを利用して連絡も可能となりましたので、今後は、イントラネットを利用した緊急情報の送信対応につきまして情報を収集し研究してまいります。
次に、D防犯対策のその後についてでございますが、各学校では、不審者対応マニュアルを作成し、緊急時での対応について訓練等を行うなど児童生徒の安全確保のための防犯体制の整備に努めております。
先の議員にも申し上げましたが、防犯で大切なのは人の目によるネットワークですので、今後とも各学校を核として警察や地域の関係各団体等と、十分連携をとりながらネットワークの構築に努め、児童生徒の安全確保に努めてまいります。
最後の質問項目になりますが、防災・消防行政について、ご質問いたします。
現在、さいたま市内には、埼玉大学、浦和大学、日本大学法学部大宮校舎、芝浦工業大学大宮キャンパス、北区に隣接して聖学院大学など、万一の時の避難所には最適と思われる広い敷地と、多くの教室などの施設があります。
地域の防災拠点として、万一の時に使用できるように避難所協定を締結してはいかがでしょうか。お考えをお尋ねします。
また、避難所の協定が可能ならば、防災備蓄品の倉庫の確保や備蓄品に関する補助金を考えられるでしょうか。
★執行部答弁
3防災、消防行政についてのご質問のうち、まず、(1)防災についてお答えいたします。
市内にある大学との防災避難所協定締結についてでございますが、現在、芝浦工業大学並びに日本大学のご協力をいただき、一時的に身の安全を確保する一時避難所として指定しているところでございます。
今後、大学につきましては、大学周辺の避難場所の指定状況などを考慮しながら施設管理者と協議してまいりたいと考えております。
次に、協定締結の大学に対する備蓄品、補助金についてでございますが、避難場所への備蓄は本市の事業として進めているところでございまして、大学を避難所として指定させていただくとした場合につきましても、大学への補助金ではなく、本市の事業として備蓄品を配備していくこととなります。
次に、消防行政についてお尋ねします。
市内の国道、県道は慢性的な道路渋滞が激しく、車両事故や車両火災などの時に、敏速に対応できる、オートバイの機動力を生かした、バイクレスキュー隊の編成や、放水タンク積載の大型スクーター消防車の導入についてのお考えをお聞きしたいと思います。
★執行部答弁
二輪車によるレスキュー隊や消防隊は交通渋滞が発生した場合など、早く災害現場に到着し、現場の状況確認、情報の収集伝達を行い、後続部隊の消防活動を支援する役割があります。
また、大震災時等、道路交通網やライフラインが遮断された場合においても、情報収集がある程度可能なことから、災害初期活動のため、導入した市もあります。
しかしながら、導入した他市の状況では活動に十分な資器材が積載出来ないことなどによる活動の限界があることや、隊員の確保、編成が困難であると聞いております。
また、単独で行動する場合が多く、現場到着時までの交通事故が懸念されているとも聞いております。
このようなことから本市では、本年の7月より運用開始をいたしました消防緊急情報システムの導入により、119番の通報場所の特定および災害現場に一番近い車両の選定が可能になり、現場到着時間の短縮が図られ、かつ、21消防署所、52消防分団が比較的バランスよく配備されております。
これらの消防力を勘案しますと、現状においては、主力部隊による迅速、確実な消防活動がより有効と考えているところですが、ご提案の主旨を踏まえ、様々な消防活動のあり方について、更に研究してまいります。
続きまして、災害弱者の支援についてお尋ねします。
災害弱者とは、高齢者、幼児、障害者、外国人などが位置付けられております。
今回の質問は、障害者支援をどのようにすすめているのかお聞きします。
10年前に発生した阪神淡路大震災の時にも、また、今回の新潟中越地震の時にも、市民の方々の大変なご苦労や心労はもちろんのこと、様々な障害を抱えた方たちの多くの苦労話を目に、耳にいたしました。
私は居ても立ってもいられず、すぐに被災地に飛び、現場でのボランティアを経験してまいりましたが、現地避難所で障害者の姿を目にする事が少ない事に気付きました。
聴覚障害を持つ方々は情報が聞こえず、他人の行動を見ているだけでは食料配給のタイミングの把握ができない。また、視覚障害を持つ方々は、どっちに行ったら食糧の配給を受け取れるのか分からない。という現状がありました。
避難所となった小中学校は、階段だらけで車いす用トイレもなく、生活を続けることが困難なため、倒壊の危険のある自宅に戻った人や、施設に措置された人、避難所の外には温かい炊き出しの食事があるのに、そこまで出ていくことのできない高齢者など、悲惨な状況がありました。
そのような中で、特に知的障害児者の姿を見かける事が無く、被災地を歩いて回っている時に、倒壊してしまった自宅の僅かな食料を糧にして、傾いたガレージの中で避難生活をされている、障害児を抱えた親御さんに出会いました。
なぜ、暖かい食事などの提供のある避難所に行かないのですか?」とお聞きしますと、「子どもがパニックやヒステリー、多動などの行動を起こすので、大勢の人たちが避難している体育館へ行くと、被災されている皆さんに迷惑をお掛けしますから行くことが出来ないのです。」とお答えになり、涙を流されたとても悲しそうなお姿に、私は言葉を失いました。
やはり、災害弱者専用、障害者専用の避難所の設置の必要性もあるのではないでしょうか。
「多くの障害者が避難所に行かない・行けない」その理由と把握についてお尋ねします。
次に、聴覚障害、視覚障害者に対する情報提供の確保はどうするのか?
また、障害を持つ方々は、現在備蓄している非常用簡易トイレで使用可能なのでしょうか?
ご所見をお伺いします。
最後に、障害者の方々の防災訓練について、ご質問します。
開催回数、場所、対象者、内容、障害別の参加人数などの実施状況と、今後の実施計画について、お聞きいたします。
★執行部答弁
(3)災害弱者支援についてお答えいたします。
まず、阪神淡路大震災や新潟県中越地震において避難所で知的障害児・者を見かけないが、理由と把握についてでございますが、大震災時には、障害のある方々が通常の避難場所では生活が困難であったことは承知しております。このため本市では各避難場所ごとに障害者用のスペースを定めるとともに、公民館を災害時要援護者などを受け入れやすい避難場所として指定し、保健師による巡回体制をとることとしております。
さらに、市内の2つのホテル、浦和ロイヤルパインズホテル並びにホテルブリランテ武蔵野と災害時要援護者の受け入れについて協定を締結しており、受け入れ体制を強化しているところでございます。
次に、避難場所での聴覚、視覚障害者に対する情報提供の確保についてでございますが、避難場所には、原則として5名の職員を配置しており、災害対策本部からの情報は、避難場所の職員を通じて、状況に応じ、音声または文書により実施することとなります。
また、障害者のトイレは非常用簡易トイレて可能であるのかについてでございますが、現在本市で購入しているトイレは、洋式タイプの車椅子対応型で、地面に固定できるトイレを購入しているところでございます。
最後に、障害者に対する防災訓練の実施状況についてでございますが、本年は、9月1日に西区にある西遊馬公園で実施しました八都県市合同防災訓練のさいたま市会場におきまして、さいたま市障害者協議会を通じ、聴覚障害者、視覚障害者および精神障害者など並びに要約筆記者、手話通訳者を含め24名のご参加をいただき、消火体験、煙体験、地震体験などの防災体験を実施していただいたところでございます。今後につきましても、防災訓練で実際に体験することが重要であると考えておりますので、今後も多くの方にご参加いただけるよう努力してまいりたいと考えております。
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